用語辞典 1

塩素
元素記号CI。
ハロゲン族元素の一つ。
常温では刺激臭のある黄緑色の気体。
化学的には活発で、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)以外の元素と反応して、塩化物をつくる。
水素Hとはとくによく結びつき、塩素と水素を混合すると光線のエネルギーを吸収して激しく化
合して(塩素爆鳴気)塩化水素(HCI水に溶けると塩酸)をつくる。
酸化剤、漂白剤および飲料水の殺菌剤などとしての利用は多い。
農薬、染料、医薬などの原料となる。塩素は食塩からカセイソーダを作るときに必然的に作ら
れる。カセイソーダは、化学工業に絶対に必要で大量に作られるので、副産物の塩素はきわ
めて安価である。

遊離塩素と結合塩素
水道法施行規則によると「給水せんにおける水が、遊離残留塩素を0.1PPm(結合残留塩素の
場合は0.4PPm)以上保持するように塩素消毒をすること」となっている。
残留塩素の下限を定めこの数値以上であれぱいくら多くなっても法的には問題がない。
さらに、給水せんにおける残留塩素であり、浄水場におげる配水濃度ではないということが、
結果的に過剰な塩素を許容することになっている。
なお、「遊離塩素」とは次亜塩素酸(HCLO)・次亜塩素酸イオソ(OCL)のことで、反応しやすい状
態にあり、それだけ殺菌力も強い。一方「結合塩素」とはモノクロラミン(NH2CL)・ジクロラミン
(NHCL2)・三塩化窒素(NCL3)などアンモニアと結合したもので、ゆっくり反応するため殺菌力は
弱いが残留性が高い。


界面活性剤

液体に溶かしたとき、その液体の表面張力を著しく低下させる物質。
表面活性剤ともいう。
水と油のように、お互いに混ざり合わない2つの液体を1つに溶けるようにする。
洗剤、乳化剤、可溶化剤など工業分野で広く使われる。
古くから日常生活で使われているものの代表としては、せっけんがあげられる。
一方、石油からつくられた合成界面活性剤は合成洗剤の主成分として使用されているが、魚
の呼吸器官に直接害を及ぼし、食物連鎖における生物濃縮が問題となっている。

トリハロメタン
水道原水の中にはさまざまな汚れ(有機物)が含まれている。浄水場で消毒に用いられる塩素
の一部はこの汚れと結ぴついて何百とも数え切れないほどの有機塩素化合物を作ってしまう。
1つ1つはごく微量で,測ることが難しい。
その中で全体の20%を占め、発ガン制や催奇形性などの毒性があることがわかっているのがト
リハロメタンである。
その量は、有機成分と塩素の量に比例するため、それぞれの量が多ければ多いほど、トリハ
ロメタンも多く発生します。
水源中の有機物の大きな供給源は、私たちの生活排水や農業・工業排水に含まれる有機物
だといわれており、水源を汚さないよう心がけるとともに、排水処理施設の早急な整備なども
必要です。
水中の有機化合物(フミン質)と塩素とが反応して有機化合物中の、炭化水素(CH)のもっとも小
さな化合物メタン(CH4)とハロゲン類(塩素CI、臭素Br、沃素I)とが結びついた物質です。
3個(トリプル)のハロゲンがメタンの水素と置き換わるので、トリ(3個の)ハロ(ハロゲンが置き換
わった)メタンと呼びます。
塩素3個とメタンの化合物であるクロロホルム(CHCI3)が代表的な化合物です。

せっけん

 界面活性剤にパルミチン酸、ステアリン酸といった高級脂肪酸のナトリウム塩を主成分とし
た洗剤。
古代から使われ、伝統的には油脂の鹸化によってつくられた。
近年は中和法による製造法が主流。生分解性、洗浄力ともに合成洗剤を上回る。
 現在、市場で流通している「複合せっけん」と表示されているものは合成洗剤が含まれてい
る。
「台所(洗たく)用せっけん」は、成分が「脂肪酸ナトリウム(純せっけん分)」、補助剤は「炭酸
塩」と表示されたものの使用が望ましい。

残留塩素

水道水などを塩素消毒した結果、水中に残留した酸化力を有する形の塩素(有効塩素)のこ
と。
遊離残留塩素(次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン)と、結合残留塩素(アンモニアや有機性窒素
化合物等と結合した塩素)があり、自然界には存在せず、塩素イオンとは化学的に性質が異な
る。
水道法では、蛇口における水が遊離残留塩素0.1ppm以上(結合残留塩素の場合は0.4ppm以
上)を保持するように、浄水施設で塩素消毒することが定められているが、残留塩素は塩素臭
があるほか、水道水源の汚濁化に伴う塩素処理によって、トリハロメタンなどの発ガン性物質
を生成することも指摘されている。

テトラクロロエチレン
テトラクロロエチレンはテトラ(4つ)のクロロ(塩素)がついている塩素系化学物質で、トリクロロエ
チレン(3つの塩素付加)とともに代表的な有機溶剤で、発ガン性物質です。
機械、製品の洗浄剤として使われる産業廃水(ハイテク産業、機械産業)による水汚染の代表
的存在です。

トリクロサン
殺菌剤「トリクロサン」は、3つ(トリ)の塩素(クロ)がついている化学物質で、燃やされたり日光に
あたると猛毒のダイオキシンに変化すると指摘されています。

ノニルフェノール
ノニルフェノールはPOEP(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル)が環境中で一部分
解されてできる化学物質で、代表的な環境ホルモンのひとつです。POEPは、工業用洗剤や避
妊薬、プラスチックの添加剤としても使われています。

ラウリル硫酸ナトリウム
ラウリル硫酸ナトリウムはアルキルサルフェート(アルキル硫酸塩)ともいわれ、ASと略称されま
す。高級アルコール系合成界面活性剤といわれますが、中味が高級なのではなく、単に炭素
数が多い(12個)アルコールという意味です。
タンパク質を測定する試薬に使われている化学物質で、タンパク変性が強いとされています。

有機リン剤
有機リン剤は、神経毒である。神経情報を伝える神経ホルモンのアセチルコリンを分解する酵
素、コリンエステラーゼの働きを強力に阻害する。
神経のない植物にはなんの害もないが、小型動物で神経が発達している昆虫に有効に作用す
るが、それだけにとどまらず、神経を持っている動物すべてを傷つけてしまう。
戦後の日本で、稲の害虫ニカメイチュウを殺す特効薬として使われた有機リン剤パラチオン
(ホリドール)は、急性毒性が非常に強く、死亡事故が多発した。
手足の脱力感、しびれ、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐が生じ、重症になると意識が混濁し全身けい
れんを起こし死亡する。
1955年に特定毒物に指定されたが、1971年には使用禁止となった。急性毒性の弱い有機リン
剤として、現在ではスミチオン、マラソン、ダイアジノン、EPN等が数多く開発され、殺虫剤の主
力として使われている。
しかし神経毒としての作用は同じであり、必ず、神経の機能を阻害する。


PPm,PPb-濃度を表す単位

濃度を表す単位PPm,PPbという用語は、残留農薬や食品添加物の量を表すときによく使われ
ています。
これは量の単位ではなく、濃度や割合を示す単位です。
パーセントという単位は、PPc、正確にはPart Percentのことで、100分の1を表します。
PPm,PPbも同じことで、それぞれPart Per milli,onPartPerbil1ionの略です。
Mi11ionは100万を、bi11ionは10億を意味しますから、PPmは100万分の1,PPbは10億分の1を
示す単位として、極微量の濃度や割合を表すときに使用されています。
最近は、さらに分析技術が進歩して、PPt(Part Per tri11ion)という1兆分の1の濃度で存在し
ている物質も、確認できるようになりました。
食品に関していえば、パーセントは、果実飲料の果汁含有率を表示するのに使われていま
す。
また、低カロリー食品などにも、「カロリー○○%カット」などと書かれているのを目にします。
私たちは、このような割合なら、すぐにぴんときます。
ところが、PPmやPPbといった、非常に低い割合で示されると、とても感覚的に把握することが
できません。
それだけに、新聞記事などで、大気や水質の汚染とか、食品中の残留農薬、重金属汚染など
の状況が、このような単位で報道されると、なんとなく安全性がおぴやかされるようで、不安に
なります。
だからといって、これらをパーセントに換算したとしても、1PPmは0・0001%、1PPbは0・
0000001%、1PPtは0・0000000001%となり、やはり感覚的な理解は困難です。
また、単位の使い方によっては、海がとても汚れているとか、農薬が非常にたくさん残留してい
るような印象を、読んでいる人に与えかねません。
例えば、100・000PPtとO・1PPmでは、どちらの割合が大きいでしょう。
答えは、どちらも同じなのですが、単位の違いがわからないと、なんだか100・000PPtの方が、
かなり多いような錯覚を起こしてしまいがちです。