・粘性
キトサンは酸性溶液によく溶け、適度の粘性を示す。
少量で必要な粘性が得られ、くすみのない、透明度の高い、明るいジェリーの形成が可能となり、相分離を起こさず、発泡安定性を示す。
毛髪化粧品のほか、化粧水、乳液、バスジェリー、歯磨きなどの水性べ一ス製品の増粘剤としても応用できる。
・保護コロイドを形成する
キトサンには、エマルジョン(注釈)やコロイド(注釈)を保護し、製品を安定化する作用がある。
キトサンは金属と結合して、キレート化合物(注釈)を形成する性質がある。
化粧品の配合成分と金属が塩を形成すると本来の作用が発揮されなくなってしまう。
その為、従来は洗剤にはポリリン酸塩が、化粧品などの場合にはEDTA(エチレンシ“アミン四酢酸)など、キレート作用を持つ物質が添加されてきた。
これに代わり、キトサンのような環境にも無害の天然物質が、キレート剤として金属イオンの封鎖に使われることは好ましいことである。
・保湿効果
キトサンは適度の吸湿性があり(グリセリンは40%、キトサンは約20%)、また一定の湿度を保とうとする働きがある。
キトサンの吸湿性は、他の保湿剤に比べると空気中の湿度に左右される幅が小さいので、皮膚や毛髪の水分を一定に保つ効果がある。 |